私がなぜ右肘を意識するのか?
右手が無くなったことで気づけたからです。
竹刀の先を走らす・力強い打突をするためにどうすればよいかを考えた結果です。
指導の際、「右肘を意識しなさい」と言われることはほとんどないと思います。
逆に「右手の力を抜きなさい」と言われることが多いと思います。
剣道において「右肘の使い方」は、思っている以上に大切な要素です。
竹刀を正しく振るには肩から肘、そして手首へと力を伝える流れが欠かせません。
しかし、初心者だけでなく経験者であっても右肘の使い方を誤解している人は少なくありません。この記事では、右肘を正しく使う重要性と改善のためのポイントを分かりやすく、皆さんが自分の剣道に活かしてください。
ぜひ、最後までお読みください。
必ず、あなたの剣道の上達に役立ちます。
剣道における右肘の役割

剣道の基本動作において、右肘は「肩から手首までの動きの流れ」と「力の流れ」を支える重要な役割を果たします。
正しい肘の使い方ができれば、無駄な力みを減らし、相手に伝わる打突を実現できます。
逆に、肘の角度や動きが不自然だと、竹刀への力伝わらず、正しい打突ができません。
肩から肘、そして手首へ
竹刀を大きく振りかぶるときは、まず両肩を柔らかく動かし、その力を肘に伝え、最後に手首をあがていくのが理想です。
この順番を意識しないと、手で振りかぶることを意識したら、手だけに力が入り「叩く」打ち方になりやすく、鞭のように竹刀をしならすことができません。
打突の瞬間に必要な肘の重要性
打突の瞬間、手首ばっかりに意識がいってしまい、右肘が棒の様に伸び切った状態はよくありません。
完全に伸ばしてしまうと力が分散し、竹刀の先端に正しく伝わりません。伸ばし過ぎず、余裕を持った形が理想です。
初心者が陥りやすい右肘の誤り

剣道を学び始めたばかりの人や竹刀を真っすぐ振ることを意識しすぎて、指導で右肘の使い方までは注意されることが少ないです。
右肘の向き
右肘の向きが外向きにならないようにしましょう。
よく脇をしめなさいと注意を受ける方は、肘の向きを下に向けて構えてみましょう(上の写真のように)。
最初は違和感があると思いますが、脇も軽くしまり、肘もうまく使えるようになります。
右肘が硬直する
力みすぎて右肘を固めてしまうと、竹刀がスムーズに振れません。
これでは小手先の打突になり、力強さも正確さも欠けてしまいます。
手首だけで操作する
肘を使わずに手首の力だけで竹刀を振ると、打突の重みがなくなり「軽い打ち」になってしまいます。
これは審判の旗も上がりにくく、実戦で相手に恐れられるような打ちになりません。
正しい右肘の使い方を身につける方法

右肘を自然に使えるようにするには、日常の稽古から意識して改善していくことが大切です。
大きな素振りでフォームを確認
大きく振りかぶる素振りは、肩から肘、手首への力の流れを確認するのに最適です。
自分の右肘が固まっていないか、完全に伸び切っていないかを毎回確認すると効果的です。

鏡を使ったフォームチェック
鏡の前で素振りをすることで、右肘の角度や動きを客観的に確認できます。
特に初心者は、自分の感覚と実際の動きに差があることが多いため、視覚的なチェックは有効です。
稽古での実戦意識
素振りで確認した動きを、そのまま稽古で活かすことが必要です。
実際の打突では気持ちが前に出やすく、右肘への意識がなくなってしまいます。
そのため、あえて大きく振る稽古や、逆に、大きく振りかぶらず右肘と手首だけを使った素振りを反復稽古をすることで上達につながります。
右肘を意識することで得られる効果
右肘を正しく使えるようになると、剣道全体に良い変化が現れます。
右肘を使用すると「手元が上がるからダメだ」と言われるかもしれません。
確かにそうかもしれません。
考えてみてください。
竹刀は手元を上げないと打てません。
その手元を上げることをいかに最小限に抑えて打突できるかが大事です。
だからこそまずは大きな素振りから始め、肘の使い方を体に浸み込ませることで自然と右肘を使用した力強い打突ができるようになるのです。
これは右手を無くした私が義手を使用して剣道しているからこそ気づいたことです。
打突の質が高まる
竹刀の先端に全身の力が伝わり、一本がより力強く正確になります。これは試合においても大きな武器となります。
疲れにくい体の使い方
無駄な力みが減るため、長時間の稽古や試合でも体力の消耗を抑えることができます。
剣道は全身を使うため、すこしでも無駄な体力をなくせます。
これは特に学生や社会人の剣道家にとって大きな利点です。
相手から見方が変わる
正しい右肘の使い方を身につけた打突は、相手にも伝わります。力強く見えるだけでなく、技を繰り出す際の鋭さも上がります。
絶対に必要です。

剣道で伸び悩んでいる人は、まず「右肘」に意識を集中してみてください。
毎日の素振りや稽古で確認することで、確実に変化が現れます。
基本の理解を深めながら自分の剣道に取り入れていきましょう。
決して右腕が悪ではありません。
右腕が強い人は、それを長所として伸ばすことも大事です。
剣道をする人「ひとりひとりが流派」です。
基本は基本で大事ですが、「人の個性を伸ばしてあげることはもっと大事だ」と思います。
今日から右肘を意識することが、剣道の上達を大きく前進させる一歩になります。
片手の剣士の剣道を見てみたい方は、ご連絡ください。
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